講師コラム「エネルギーの明日」

エネルギー・環境問題の専門家に、毎回、様々な角度からエネルギーの視野を広げるお話を伺います。

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Vol.2 これからの暮らしとエネルギー

株式会社ビスネット代表取締役 消費生活アドバイザー
久留 百合子 氏

私たちの生活はエネルギー問題と密接に関わっています。けれども毎日の暮らしの中で、エネルギーについて意識することはそれほど多くありません。ライフスタイルの変化はエネルギー問題にどのような影響を与えているのでしょうか?またエネルギーを大切にする暮らしとは?消費生活アドバイザーとして活躍する久留百合子氏にお話を伺いました。

久留百合子氏

ライフスタイルの変化と地球資源

私たちの生活は戦前から戦後、さらに高度経済成長期を経て大きく変化してきました。戦前は扇風機さえないような暮らしでしたが、戦後になって便利な家電製品が多く発売され、高度経済成長とともに家庭へ普及していきます。今では家庭にエアコンがあるのは当たり前になっています。家電の普及は家事の省力化に貢献し、女性の社会進出にも少なからず寄与してきました。

一方で、家電製品の普及はエネルギー消費に大きな影響を与えています。近年、産業部門のエネルギー消費はほぼ横ばいなのに比べて、家庭部門のエネルギー消費は増え続けています。人々が快適で便利なライフスタイルを求めてきた結果でしょう。

豊かな現代社会に暮らしていると気づきにくいのですが、エネルギー資源には限りがあります。例えば石油は、あと40年ほどで枯渇するといわれています。とりわけ日本はエネルギーについて大きな課題を抱える国で、資源の99%を輸入に頼っています。オイルショックや中東で紛争などが起こるとみんな危機感を持ちますが、騒ぎが収まるといつの間にか忘れてしまいます。私たちが当たり前だと思っている生活は、日本の厳しいエネルギー事情の上に成り立っていることをもっと自覚すべきだと思います。

暮らしのうつりかわり

エネルギーの使われ方

 
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