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Vol.3 環境問題とエネルギー

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PM2.5もエネルギー消費に密接に関係

近年、話題になっているPM2.5もエネルギー消費に密接に関係している環境問題です。福岡は中国大陸に近く、大きな影響を受けることもあり、とりわけこの問題については関心が高いようです。また国を超えた越境汚染となっている点も、現代社会らしい環境問題といえるでしょう。

PM2.5は一般的には「大気中に浮かぶ直径が2.5ミクロン(1000分の1ミリメートル)以下の粒子」と理解されています。発生源としては車の排気ガスや工場の排煙など人間活動起源と黄砂などの自然起源があります。さらに最初から粒子状物質として排出される一次粒子として存在するものと、大気中のガス状物質が化学反応を起こして生まれた二次粒子として存在するものがあります。同じく化学反応で生まれる物質として光化学オキシダントが知られていますが、PM2.5は粒子が細かいために肺の奥にまで入り込み、人体に影響を与える恐れが指摘されています。またPM2.5にはさまざまな物質が含まれており、それぞれが人体にどのような影響を与えるかも詳しく分かっていません。

発生源である中国ではエネルギーの7割が石炭で占められており、環境への負荷を考慮した工場からの排煙対策なども十分ではありません。この点、日本は工場などでの環境対策に高い技術を持っています。また、エネルギーを燃やして排出されるばいじんや硫黄酸化物等を回収する技術も世界トップクラスです。こうした日本の高い技術力で、世界の環境問題に貢献できる可能性があると思います。

わが国の大気汚染の推移(二酸化硫黄、二酸化窒素の例)

 
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