九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.5 エネルギーと地球環境(3/5)
日本のエネルギー源の多くを占める化石燃料は、地球温暖化という問題を引き起こします。化石燃料を燃やすことで発生する二酸化炭素は温暖化物質のひとつです。二酸化炭素は地表を一定の温度に保つために必要ですが、増え過ぎると熱バランスが崩れて地球の温度が上がってしまいます。温度が2℃上がるだけでも地球環境には大きな影響があるのです。
例えば成育する作物に影響が出ます。気温の上昇により、良好な米がとれる地域が南から北へと移っています。日本で米がとれなくなる可能性もあるのです。また冬でも蚊が発生するようになり、1年中デング熱など疫病の心配をしなければならないようになります。もし南極大陸の氷がすべて溶けると海面が60センチ上がると言われています。そうなると日本の砂浜の80%は消失するかもしれません。世界中で人口が増え続ける中、各地の穀倉地帯が砂漠化し、食糧危機が起こる可能性もあります。他国のことだからと油断はできません。日本は食料の60%を輸入に頼っているのですから。
平衡状態といって、地球温暖化が進行しても地球はどこかでバランスをとるようになっています。ただし、その環境が人間にとって住みやすい状態かどうかは別問題です。これまでの地球の歴史をふり返ると、環境は何度も変化し、その環境に適応できる生物だけが生き残ってきたのですから。