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Vol.7 エネルギー環境教育の重要性

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エネルギーの特徴を正しく知る

エネルギーやそれに関する技術には色々な形態があり、既存の発電方法や太陽光発電に代表される再生可能エネルギーを学習する場面は増えてきました。しかし、原子力や放射線については、教員や周囲の理解があまり進んでおらず、意識的にも敬遠した内容であることから、十分な教育は行われていません。その結果、多くの人が原子力や放射線をやみくもに不安視し、正しく理解し、賢く使うことができない状況が生まれています。

わが国のエネルギー自給率は6%程度です。残りは輸入に頼っています。わが国は過去2度にわたり石油ショックを経験し経済が大きく混乱しましたが、この様な事態を回避するため、省エネルギー技術の開発やエネルギー資源の備蓄に努めると共に、多様な発電方法を導入してきました。

例えば、再生可能エネルギーは貴重な国内資源であり、火力発電に比べて温室効果ガスを少ししか排出しない特徴がありますが、主力である太陽光や風力発電はエネルギー密度が低く、安定供給に課題があります。また地熱や水力発電は、適地が限られているため供給力に限界があります。一方で、原子力発電は、安全性を高めるため何重にもわたる対策を施す等の対応が必要ですが、再生可能エネルギーと同様に低温室効果ガス排出電源であり、一定出力で運転され、燃料の備蓄性能が極めて高いというメリットと、高レベルの放射性廃棄物を出してしまうというデメリットを持っています。

この様に、各発電方式には様々な長所、短所・課題があります。エネルギー資源に恵まれないわが国は、何か一つに過度に依存するのではなく、それらを正しく理解して、上手に組み合わせていく事が必要なのです。

各種電源別のライフサイクルCO2排出量

空間的、時間的広がりの中で私たちがすべきこと

持続可能な社会に関する言葉で、エコロジカル・フットプリントという言葉があります。私たちは地球から資源を受け取り、一方ではいろいろな形態の廃棄物を排出していますが、それらを数値化して解りやすく説明するものです。それによると地球に住む人全員が日本人と同じ暮らし方をすると、地球が2.9個必要になります。けれども地球は1個しかありません。残りの1.9個の資源と負荷は、どうすればよいのでしょうか?みなさん考えてみてください―そうしたことを考えるきっかけにして欲しいのです。

環境問題は日本人だけが何かをすれば解決できるわけではありません。発展途上の国も含めて世界中の人のことも考えなければいけないし、さらに言えば未来に環境負荷を残すとどうなるかも考えるべきです。空間的、時間的広がりの中で、公平な立場で自分が何をすべきか考えることが重要です。

http://www.wwf.or.jp/activities/2016/10/1341727.html

地球人としてどう考える?

 
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