九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.12 医療における放射線利用の重要性(4/4)

 
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Vol.12 医療における放射線利用の重要性

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「距離」「遮へい」「時間」が放射線防護の3原則

放射線というとやたらに怖がったり、放射線の話題や情報を避けたりする人もいます。けれども、これでは放射線についての正確な知識が身につかず、むしろ逆効果だと思います。放射線についてきちんと学ぶことで、どうすれば安全に自分の身を守ることができるのか判断できるようになります。その重要な知識のひとつが放射線防護についての考え方です。

放射線防護の3原則は、「距離」「遮へい」「時間」の3つです。放射線は距離をとると影響がぐっと少なくなります。放射性物質から離れる、あるいはむやみに近づかないことが重要です。また、間に遮へい物を置くことでも放射線の影響を遮ることができます。遮へい物を厚くすればするほど放射線が減るので、建物の中などに避難することも有効です。さらに、近くにいる時間を短くすることで放射線の影響を減らすことができます。

放射線防護の3原則(外部被ばくの低減)

放射線についての正確で科学的な知識を持つ

岡田氏

最近、義務教育においても放射線教育が導入されました。放射線教育に携わる人たちにお願いしたいことは、正確な科学的知識を持って教えてほしいということです。これまでお話ししたように、正確な知識を持っていれば放射線は決して怖いものではなく、安全に利用できるものです。

私が研究しているエイズにおいても同じような状況がありました。当初はエイズについて正しく理解する人が少なかったために、一般的には「怖い病気」というイメージが定着してしまいました。けれどもエイズは正しい知識があれば怖い病気ではなく、感染も予防することができます。

放射線についても、一部の情報でパニックや感情的にならず、正確な知識と情報に基づいた冷静な判断で、正しく行動することが大切です。そのためにも学校教育における早い時期からの放射線教育は重要と考えています。

 
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