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Vol.13 消費行動が社会を変える!

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エネルギーにまつわる現実を知ってほしい

世の中で起こっていることを「自分ごと」として考えられるようになると、エネルギーについても興味がわくと思います。今はエネルギーのことを知ろうとする人が少ないと感じています。

例えば日本のエネルギー自給率は9.6%(2017年)と食料自給率(37%)より更に低く、資源のほとんどを輸入に頼っていますが、毎日電気や石油などが不自由なく使えるので多くの人は意識していません。また、私たちが払う電気料金にはFIT制度※による再生可能エネルギー普及のための賦課金がプラスされ、年々その額は上がっています。非化石電源であり、自給率を高めるために再生可能エネルギーを増やすことは大切ですが、私たちが負担してる賦課金の金額を知らない人や、払っていることさえ知らない人もいます。(電気料金の明細にはきちんと記載されています)

地政学的なリスクもあります。2019年6月にホルムズ海峡で日本のタンカーが襲撃される事件がありましたが、自給率の低い日本ではホルムズ海峡など政情が不安定な地域を通過して原油を運んでいます。とても苦労して資源を運んでいることを消費者も理解すべきです。

エネルギーの現実が知られていないのは、単発の事件やできごとはニュースなどで知っていても、広い視野で全体を捉えられていないからだと思います。私たちが今使っているエネルギー資源は有限なもので、日本のように資源が少ない島国では自前のエネルギーを増やしていくことがとても重要です。自分たちが使うエネルギーがどこから来て、どうやって届けられているのか、もっと「自分ごと」として考えてほしいと思います。

※再生可能エネルギーの固定価格買取制度。FITはFeed-in Tariffの略。

固定価格買取制度導入後の再生可能エネルギー賦課金の推移

 
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