九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.14 SDGs(持続可能な開発目標)とエネルギー環境教育(4/4)

 
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Vol.14 SDGs(持続可能な開発目標)とエネルギー環境教育

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小さいときから系統的に、社会全体でエネルギーを学ぶ

藤本登氏

エネルギー・環境問題は、まさに技術開発や社会の変革、地域や時間の経過によっても状況は大きく変わってくるもので、未来を予測しながら、その時々での判断が必要となってきます。そのためには社会とのつながりを理解し、問題解決に向けてエネルギー・環境問題を他人事ではなく自分の事としてまず捉えること、また知識を学ぶことも大切ですが、その知識を活用できるようになることが重要です。

自分たちで考え、行動するためには「どういう資質や能力が必要なのか」。そのためには小・中学校でどんなことを学び、高校・大学では何をすべきか、エネルギー環境教育において学び全体に系統性を持たせることが必要です。さらには学校だけでなく、地域全体で学びをどう紡いでいくかも重要となります。エネルギーは私たちの生活のあらゆるものと関係しており、どう対応すべきかを家庭や行政、企業、NPOなど地域社会全体で共に学び、考えていく社会をつくるべきです。

持続可能な社会を実現するために必要な人材とは、論理的思考ができ、ものごとを批判的に捉える力があり、たくさんの価値観がある中で折り合いをつけていく統合性を持った人材です。またコミュニケーション能力も重要になります。多様な価値観の中から新しい価値をつくっていくためには、相反する意見を聞きながら話し合いを重ね、解決策を見つけ出していかなければなりません。対立しているだけでは答えは見つからないのです。日本人はこうしたところがうまくできていません。

未来へ向けた人材育成は一朝一夕にできるものではなく、長い時間がかかります。だからこそ小さい頃からの教育が重要になるのです。ものごとは単純ではなく、いろいろな答えがあります。そのことを小さい頃から体験的に学ぶだけでも、自分で考えて解決する力を身につけることにつながります。

 
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