• 印刷

Vol.17 地球温暖化と私たちの暮らし

1 / 2 / 3 / 4

環境問題とエネルギー問題は切っても切り離せない

日本のCO2排出量の約85%はエネルギー利用によるもので、このうち約4割が発電所等の供給側、約6割が消費側です。このように地球温暖化とエネルギーは密接な関係にあります。

日本のエネルギー自給率は12.1%(2019年)と他のOECD諸国と比べても低い水準です。自給率を高めながらCO2排出量を削減するには、再エネ、原子力など電源の脱炭素化が必要です。特に再エネに対する期待が大きいものの、日本は国土が狭く、平地が少ないなど適地が限られます。また、先に述べたように地域住民の自然災害や景観に対する意識の高まりなど、更なる導入促進に向けた課題もあります。原子力は、脱炭素化電源として有効ですが、国民の理解が進んでいません。また、島国のため近隣国との電力融通ができず、常に自国で必要量を賄う必要があります。

このような事情を抱える日本が、社会・経済活動に必要なエネルギーを安定的に確保するには、多様なエネルギーをバランスよく使うエネルギーミックスがとても重要です。また、エネルギーを消費する需要側については、家庭や工場などの電化の推進や、水素などの非化石エネルギーへの転換が必要です。

環境問題とエネルギー問題は切っても切り離せない関係にあります。それぞれを個別の問題として捉えるのではなく、同じ土俵の上で議論し、車の両輪として対応していくことが必要です。カーボンニュートラルを達成するためには課題も多く、並大抵の努力ではできませんが、一人ひとりが地球温暖化に関心をもち、自分たちの使うエネルギーのこれからについて考え、次なる成長を生み出すチャンスとすることが大切だと思います。

日本の温室効果ガス排出量(2018年度)

 
ページの先頭へ戻る