九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.18 原子力発電と核燃料サイクルの意義(4/4)

 
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Vol.18 原子力発電と核燃料サイクルの意義

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核燃料サイクルの推進には丁寧な説明を

プルサーマルに不安を持つ人もいますが、従来から使われているウラン燃料とMOX燃料の安全性に大きな差はありません。フランスではMOX燃料の使用量が年々増えていますが、これまで事故につながったことも、問題になったこともありません。今後も引き続き核燃料サイクルの意義と安全性について丁寧に説明していく必要があると思います。それと同時に、プルサーマルの実績を地道に積み上げていくことも大切です。

そもそも使用済燃料の再処理はどこの国でもできるわけではなく、日本は核兵器保有国以外で再処理が認められている唯一の国であり、技術もあります。日本は核燃料の取扱いについては世界の優等生で、管理態勢がしっかりしており、査察への対応もきちんとしているため、国際原子力機関(IAEA)からも信頼されています。せっかく持っている権利と技術を活用し、原子力の平和利用の原則のもと再処理によるウランとプルトニウムの有効利用を行うべきだと思います。

2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画でも、核燃料サイクルを推進することが明記されました。日本のエネルギーセキュリティを高めるためには原子力発電の活用が必要ですし、核燃料サイクルを着実に前に進めることが重要です。今後も積極的な情報発信と丁寧な説明に努めて、原子力への信頼を高めることが大切だと思います。

日本の温室効果ガス排出量(2018年度)

 
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