情報誌「TOMIC(とおみっく)」

63号 2021年1月発行(2/5)

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TOMIC第63号 新型コロナの影響とエネルギー・環境問題〜ポストコロナ時代に向けて加速する「3つのD」とは〜

地球温暖化の緩和は限定的、むしろ経済に打撃が

パンデミックによる世界経済の停滞により、産業全般、特に輸送部門のエネルギー需要が激減したため、地球温暖化の原因とされるCO2の排出量が減少したことが報告されました(図3参照)。しかし、社会・経済にこれだけの大打撃を与えても、CO2の排出量は思ったほど減らすことはできず、むしろ、パリ協定の2℃目標の達成がいかに高いハードルかという現実を改めて突き付けられた格好です。

リーマンショックの時も、CO2排出量は前年より減少しましたが、翌年から増加に転じ、その後も増加基調です。今回も先行きは不透明ですが、経済回復に伴い、CO2排出量は増加に転じていくことが予想されます。

ポストコロナにおいて大切なことは、単純に元の社会に戻るのではなく、「新しい暮らし方・働き方」に対応し、より良い社会を実現する方向に向かうことです。

図3 1900〜2020年(予想)の世界のエネルギー期限CO<sub>2</sub>排出量(上図)と年間変化量(下図)

 
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