情報誌「TOMIC(とおみっく)」

64号 2021年9月発行(5/5)

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TOMIC第64号 福島第一原発における処理水の海洋放出について〜処理水に含まれるトリチウムとは?〜

今後のスケジュールと正しい理解のために

出光一哉氏

今回は「処理水」を海洋放出する方針が決まりましたが、実際の海洋放出は2年後に開始される予定です。今後の2年間で大量の「処理水」を希釈するためのタンク、配管、ポンプなどの必要な設備を設置していくことになります。その後、10年以上をかけて保管している「処理水」を放出していく予定となっています。

海洋放出はすでに確立された方法で技術的な課題はありませんが、国内外のみなさんに安心していただき風評被害を起こさないためには、放出による環境への影響を確認するモニタリングや情報公開が適切に行われなければなりません。その際には、モニタリングの手法やデータ公表の公正性、透明性を担保する仕組みが重要です。例えば、複数の独立した機関によって測定を行い、結果を公表し、放出の影響を検証するなどの方法が有効だと考えられます。

海洋放出や「トリチウム」に関することは一般にあまり知られていません。したがって、この2年間は、政府等の関係機関が正しい情報を公表するとともに、丁寧に説明することで、みなさんに少しでも関心を寄せていただく大切な準備期間だともといえるのではないでしょうか。

風評影響への対応に向けた今後の取り組み

 
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