九州エネルギー問題懇話会トップページ情報誌「TOMIC(とおみっく)」TOMIC67号(5/5)
67号 2023年3月発行(5/5)
日本はもちろん、世界においても脱炭素化社会の実現に向けた動きが強まっています。一方で、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻で、世界のエネルギー情勢は混迷を深め、エネルギー価格の上昇は一過性のものにとどまらない可能性があります。このため、各国は中長期的な脱炭素化とエネルギーの安全保障を両立するための政策を模索しています。
例えばヨーロッパでは、EUタクソノミーに原子力・天然ガスを含めることを2022年7月に決定しました。EUタクソノミーは、企業の経済活動が地球環境にとって持続可能であるかどうかを判定し、グリーンな投資を促すEU独自の仕組みです。これは、再エネを中心とした未来のエネルギーへの移行を促進するために、原子力や天然ガスも一定の役割があることを意味しています。脱原子力政策の見直しや原子力利用の拡大など各国の事情に合わせたエネルギー政策の見直しが進められています。
日本においても、安価な低炭素エネルギーであり、ベースロード電源として安定供給に貢献する原子力が、脱炭素化とエネルギー安全保障の両立に果たす役割はますます大きくなると考えます。
(取材日:2022年12月27日)