CO2排出量削減の問題を単純に“先進国vs新興国”の構図でとらえていては、いつまでたっても実質的な問題の解決は訪れません。国別の推移ばかりに気をとられるのではなく、世界全体でどれだけ排出量が削減できたかを常に注視することが大切です。
- エネルギーを起源とするCO2の排出量の推移を見てみると、先進国は減少傾向にあり、一方で新興国は増加傾向にあります。
- 近年、各企業はできるだけコストの安価な国へと調達先を求めたり、製造現場を移転したりしています。特に、大量のエネルギーを使ってつくる製品「炭素集約製品」は、エネルギー価格が高い国から安い国への工場移転が進んでいます。
- その結果、統計上で見ると、工場が撤退した国のCO2排出量は減少する一方で、移転先の国では排出量が増加するという現象が起こっています。