(3)炭素除去
1 大気CO2直接回収・貯留(DACCS)
- DACCS(Direct Air Capture with Carbon Storage)は大気中にすでに存在するCO2を直接回収して貯留する技術です。
- 大気中のCO2濃度は大気の0.04%程度と低く、化石燃料燃焼時の排ガス等からの回収と比べ、膨大な数の回収装置を設置や大量の脱炭素化エネルギー(余剰再エネ電力等)が必要であり、高コストとなります。
- DACCSを活用するためには、CO2貯留層に近くエネルギーが安価に入手できる地域(安価な再エネ供給が可能な地域など)での実施が経済的です。
出典:資源エネルギー庁HP「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第36回会合)」より作成
2 バイオマス+CO2回収・貯留(BECCS)
- BECCS(Bio-Energy with Carbon Capture and Storage)はバイオマスエネルギー利用とCO2回収・貯留を組み合わせた技術です。
- 生物由来のバイオマス(例:間伐材、飼料作物)を燃焼することで排出されるCO2は、光合成で大気中から吸収されたCO2なので、バイオマスを燃焼してエネルギーを利用しても、大気中のCO2は増加しません。
- さらに、CCSを組み合わせることで、バイオマスの燃焼によって発生したCO2を回収・貯留することでネガティブエミッションを達成できるのです。
出典:国立環境研究所HP「ネガティブ・エミッションの達成にむけた全球炭素管理」などより作成
3 森林によるCO2吸収
- 森林を構成している樹木は、光合成により大気中の二酸化炭素を吸収するとともに、酸素を発生させながら炭素を蓄え、成長します。
- 1世帯から1年間に排出される二酸化炭素の量は、4,480キログラム(2017年)とすると、36〜40年生のスギ約15本が蓄えている量と同じぐらいです。
出典:林野庁HP「森林は二酸化炭素を吸収し、地球温暖化の防止に貢献しています」、「森林はどのぐらいの量の二酸化炭素を吸収しているの?」を基に作成
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