どうする?地球温暖化

3.温暖化への対応

日本の適応策

水資源活用の優等生福岡市の再生水と節水意識

1978年の大渇水時、バケツに給水を受ける市民 湖底をさらけ出した南畑ダム

再生水とは、これまで海へ放流していた下水処理水の一部をさらに高度処理し、新しい水資源として水洗便所用水や散水などの雑用水として有効利用するものです。

福岡市は1978年と94年の2度にわたって深刻な大渇水を経験しました。とりわり78年は5月に始まった給水制限が翌年春まで287日間も続きました。増え続ける人口に対して近隣に十分な水資源が乏しかった福岡市は、早くから渇水対策に取り組んできました。再生水の利用にも日本で初めて取り組み、供給箇所教は日本ーとなっています。

こうした経緯から、福岡市民は高い節水意識を持っています。主要な19都市の節水意識を比較したところ、福岡市は1人1日平均給水量が263リットルで19都市中で最低でした(2014年度調べ〉。各家庭に節水コマを取付けるなど、貴重な水資源を無駄なく使うことが徹底されています。

熱中症の予防

近年は高齢者に限らず暑さによる熱中症にかかる患者が急増しています。これを防ぐためには、熱中症についての正しい知識を知り、熱中症を未然に防ぐための対策を取ることが重要です。環境省の「熱中症予防情報サイト」では、暑さ指数の予測値や速報値などの情報を提供、気象庁のサイトでも熱中症から身を守るための情報を提供しています暑さの情報に敏感に、暑さの危険に身をさらさないことが大切です。

熱中症患者数の都市別年次推移(2000-2014)

「適応」と「緩和」という考え方

温暖化対策には大きく分けて「適応」と「緩和」という考え方があります。適応策とは、すでに起こっている、あるいは将来起こる可能性のある影響に対して、何らかの対策を講じることです。気候が変わったことで作物の品種改良をしたり、熱中症対策にエアコンを利用するなどがあげられます。

ただし適応策だけでは限界があります。例えば海面上昇を堤防だけで防ごうとすると、大変なコストと手間がかかります。どこかで温暖化そのものを止める必要があり、そのための対策が緩和策です。具体的には、温室効果ガスの排出をどれだけ抑制するかが大きなテーマとなります。

 
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