九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.22 生きる力を育むエネルギー環境教育(4/4)

 
  • 印刷

Vol.22 生きる力を育むエネルギー環境教育

1 / 2 / 3 / 4

エネルギーを入り口に社会的課題を解決する

エネルギー問題を入り口にして、自分で調べて、考えて、判断する習慣がつけば、その習慣は違う分野でも役立つでしょう。多くの人が思考力や判断力を身につければ、社会的課題の解決も早まるのではないでしょうか。

現代は情報化社会で多くの情報が飛び交いますが、その中にはフェイクニュースなども多くあります。「誰かが言っているから」という他人に依存した、受動的な理由ではなく、自分で調べたり考えたりして、その結果をもとに自主的・能動的に判断し行動できるようになることが大切です。そうすれば根拠のない風評被害も少なくなると思います。例えば原子力の分野でも、高レベル放射性廃棄物の地層処分の問題、福島での原子力発電所事故に伴う処理水や廃棄物のことなど、多くの人が正しい知識を持てば、もう少し早く議論を重ね、前に進めることができそうなことがあります。根拠のない噂で、ものごとが停滞してしまうのはもったいないことです。

エネルギーについては「原子力か、再エネか」といった二者択一の話になりがちですが、私はいずれも必要だと思っています。エネルギー自給率が低い日本では、安全性を大前提に、エネルギーの安定供給、経済効率性、環境への適合をバランスよく組み合わせたエネルギーミックスが重要です。日本はエネルギー資源の乏しい国ですが、知恵や工夫で技術力を高め、人材を育ててきました。それを未来にどう繋げていくか。子ども時代からのエネルギー環境教育は重要だと考えます。

高木氏

 
ページの先頭へ戻る