九州エネルギー問題懇話会トップページ情報誌「TOMIC(とおみっく)」TOMIC62号(3/4)
62号 2020年8月発行(3/4)
私は、九州の出身ではありませんが、九州独特の地域特性・気質の素晴らしさをこの20年、日々感じてきました。それは、一言でいえば、まとまりのよさ、結束力そして多様性で、いわば九州のDNAと呼べるものです。
九州は日本の一地域にすぎませんが、もともとまとまりが良く、これまでも一丸となって物事に取り組んできました。 また地政学的にも歴史的にも、海外との縁が深い地域です。島国である日本が閉塞した状況になると、九州はいち早く日本の外へ目を向けて、その状況を打破してきました。その一方で多様性も存在しています。九州は「自然エネルギーの百貨店」とも言え、再エネのバリエーションが豊富なことはもちろん、自然豊かな地域から福岡のような国際都市まで様々な地域社会、そして多様な産業構造、多様な交通網などのインフラなどがあいまって、国内はもちろん他国の参考になるような事例があるのです。
かつて、片田舎に過ぎなかったアメリカ西海岸のスタンフォード大学からヒューレット・パッカードなどのベンチャーが生まれ、今では、その周辺のシリコンバレーが世界の産業をリードしています。日本でも、明治維新後、九州の石炭産業や官営八幡製鉄所が当時の日本の産業全体をけん引し、我が国全体を変えていきました。九州大学の前身の九州帝国大学は、そのような活気あふれるこの地の皆様方のご支援を得て、1911年に創立されました。
九経連のスローガンに、「Move JAPAN forward from 九州!(九州から日本を動かす)」とあり、まさにこの事実を体現したものです。九州のDNAが、本提言を強力にバックアップする力となってくれるのは間違いないと思います。