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Vol.1 日欧のエネルギー事情

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日本の進むべきエネルギー政策とは?

ドイツの水素ステーションにて

エネルギー政策には、資本も技術も人材も必要で10〜20年の年月をかけて計画するものです。しかしながら、日本では、エネルギー問題についても一時的なことで右往左往しがちです。本当に大事なことは何なのか、国家としてどういう仕組みがいいのか、将来に向かって真剣に議論すべきだと思います。

今後、日本では、エネルギーをうまく組み合わせて使うことが重要になると思います。エネルギー資源にはそれぞれ特性があります。石油や天然ガスは着火しやすく、すぐにフルパワーに到達するなど扱いが容易です。やや効率が劣るのが石炭ですが、石油や天然ガスに比べて安価です。また、太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、地球環境にはやさしいのですが出力が安定しません。原子力は比較的価格が安く、一定の出力で安定的に使うことができるエネルギーです。

こうしたエネルギー資源の特性を理解し、バランスを取っていくことが大切です。

私は、再生可能エネルギーをもっと増やしてよいと思います。ただし、出力が不安定なため、水力を除いて総発電量の10%程度を賄うのが現実的な数字だと考えています。

石油や天然ガスといった化石燃料は、電力以外にも、社会に必要なさまざまなエネルギー熱源や素材を生み出す資源として利用できます。原子力のエネルギー源であるウランは、エネルギーをつくり出す以外に活用法がありません。そうであれば正しく安全にエネルギーとして活用することが、人間の叡知ではないでしょうか。エネルギー問題は地球全体の問題と直結しています。限られた資源を生かすための工夫が必要だと思います。

(2013/11/01)

既存電源の発電コストと再生可能エネルギー買取価格との比較

 
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