九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.21 GXの実現は一人ひとりの消費行動から(3/4)

 
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Vol.21 GXの実現は一人ひとりの消費行動から

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責任がある消費者としての選択をするために

GX実現のための行動には、責任ある消費活動を心がけること、つまり「自分ごと」として考える視点が大切です。SDGsの17の目標のひとつに「つくる責任 つかう責任」がありますが、消費には責任がともないます。今だけ、ここだけ、自分だけが良いのではなく、環境や社会にどう影響するかを考えて消費の選択をしていくべきです。消費には個人的な私益、お互いを思いやる共益、国や社会のことを考える公益、さらに地球規模で考える地球益の4つの基準があります。4つの利益をバランスよく考えることが重要で、昔の言葉では「三方良し」とも言いました。現代で言うなら「Think globally, Act locally」の精神です。こうした消費行動は、環境や社会に良いことをしている企業や店舗を応援することにもつながります。

加えて、一歩踏み込んだ視点を持つことも重要です。「この商品はCO2を多く含む化石燃料由来の製品ではないか?」、「この商品は製造プロセスにおいて大量のCO2排出を行っていないか?」、そして「その商品に関する情報は正しいのか?」等、ネットなどで見た情報を単純に鵜呑みにするのではなく、世界の情勢を視野に入れ、対象製品の材料のことや製造プロセスなどについて、普段から自分で調べたり、考えたりすることが大切です。

最近は合理的で賢い選択をする若い人が増えてきていると感じます。考え方が多様になり、自分にとって重要なことを合理的に考え、賢い選択する人が増えているのだと思います。その「重要なこと、合理的思考」のひとつに「GX実現のために自分ができる行動」という基準を入れていただきたいと思います。そうした若い人々が担う未来には大きな期待ができると思います。

石窪 奈穂美 氏

 
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