九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.21 GXの実現は一人ひとりの消費行動から(4/4)

 
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Vol.21 GXの実現は一人ひとりの消費行動から

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脱炭素社会実現のために私たちができること

脱炭素社会実現のために、私たちが一般家庭で取り組めることは「電化」と「省エネ」です。ご存じのとおり、電気は使う時にCO2を排出しません。ですので、厨房や給湯などを電気に切り替える「電化」を進めることで、エネルギー使用時のCO2排出を抑制することができます。加えて、発電時にCO2を排出しない原子力や再エネ由来の電力の割合が増加すれば、「電化」を進めることで、私たちは意識せずに、CO2排出量を更に削減することができます。

また「省エネ」に取り組むことも重要です。具体策のひとつに家庭にある家電製品を省エネ家電へ買い替えることが考えられます。今の家電は省エネ性能が大きく向上しているので、買い替えるだけでエネルギー消費を減らすことができます。しかも、省エネ家電への買い換えには自治体によって補助金やポイントなどの支援制度がありますので、今がチャンスです。省エネ家電に買い替えれば、家電製品が自動的に省エネに取り組んでくれるので、とても助かります。買い替えるのであれば、コスト面だけではなく、環境への影響や省エネ性能などを含め、長い目で検討することをお薦めします。

家電製品の消費電力はどう変わったの?

家電の買い替えの他に、住宅の新築・増改築の時も省エネに取り組むチャンスです。政府はZEH等、省エネ性能の高い住宅・建築物の新築や省エネ改修に対する支援等を強化することを「GX実現に向けた基本方針」の中で明記しています。加えて、断熱性能が高い住宅は、年間を通じて室温が安定しているため、ヒートショックや熱中症になるリスクの軽減も期待できます。つまり、ZEHは省エネ性能が高いだけではなく、健康的に生活する上でのメリットもあるということです。とは言うものの、住宅新築・増改築には大きな費用がかかるので支援制度をうまく活用しましょう。

※net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語。太陽光発電などでエネルギーを作り、省エネルギー設備や高断熱素材を使用して、生活で消費するエネルギーよりも生み出すエネルギーが多くなる住宅のこと。

私たちが生活していく上で、もはや、電気をはじめとしたエネルギーの消費とそれに伴うCO2排出について無関係でいることはできません。今後は従来以上に、省エネ家電の活用、省エネルギー設備や高断熱素材を活用した新築、省エネ機能を高めるための必要なリフォームなどを通じて、自分のライフステージに応じた生活環境を構築し、その中で、低コストで環境にやさしいエネルギー消費活動を行えるよう個々で工夫をすることが大切になります。

ご存じの通りエネルギーは有限です。でも、その有限なエネルギーを脱炭素社会実現に向けて効率的に使うための工夫は無限にできます。快適な生活を未来に繋げていくために、みなさんとともに取り組んでいきたいと思います。

 
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