特集「『放射線』ってなに?」

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6放射線の人体への影響は?

X線が発見された当初は、放射線が人体に影響を及ぼすことは知られていませんでした。
しかしそれからまもなく多くの障害が出るようになり、
生物への影響などの研究が進められました。

6-1放射線による電離作用と影響の種類
壊変と放射線
  • 放射線はその通り道の物質にエネルギーを与えていきます。与えられたエネルギーにより、通り道の物質の電子が弾き飛ばされます。これが電離作用です。
  • 物質にエネルギーを与える密度は、放射線の種類によって異なりますが、β線やγ線に比べ、α線はごく狭い範囲の物質に集中的にエネルギーを与えます
  • 電離作用の密度の違いにより、同じ吸収線量(Gy:グレイ)であっても細胞が受ける損傷の大きさが異なります。

環境省HP:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」を基に作成
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-03-02-01.html

放射線影響の種類
  • 放射線による影響には、放射線を受けた人の身体に出る「身体的影響」と、放射線を受けた人の子孫に現れる「遺伝的影響」(※)があります。
  • 放射線による影響は「確定的影響(組織反応)」と「確率的影響」に分けられます。
  • 確定的影響とは一定以上の放射線を受けた場合でなければ出ないとされる影響です。
  • 確率的影響とは放射線の量に比例して発生する確率が高くなると考えられている影響です。

※ショウジョウバエを用いた動物実験で突然変異が起きることが発見されています。しかし、人については広島・長崎の被ばく者の調査でも、遺伝への影響は確認されていません。

※しきい値:ある作用が反応を起こすか起こさないかの境の値のこと

日本原子力文化財団HP:「原子力・エネルギー図面集」を基に作成
https://www.ene100.jp/zumen/6-3-2

 
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